HOME > 事例紹介 マーケティング戦略(競合店対抗戦略)
エリア内での自店立ち位置を検証し、競合店に戦わずして勝つことを信条としつつ、競争においても必ず勝てる方策を導く。
N県のN社はホテル建物を買収し、シティホテル事業に参入した。シティホテルの新規事業は社運を賭けたプロジェクトである。この新事業計画を策定するうえで、最も難題であったのは、どの顧客をどの価格でどの程度のクオリティをもった施設設備とサービスでお迎えするかということであった。
■SWOT分析 事前にSWOT分析にて内部環境分析を実施していたため、これを用いてN社の強み弱み、自社を取り巻く機会と脅威を整理した。
SWOT分析の一例として、例えばN社は、観光資源である世界遺産から近い立地であることや、ロビー食堂は狭いが客室は広く素材も良いものを利用し、設置設備も豪華であることが主な強みということがわかる。このように、SWOTを活用することでN社戦略の基礎を立てることができた。
■STP分析 自社の立ち位置とマーケティングコンセプトを明確にするためSTP分析を実施。
S :セグメント まずは、ホテルNが捉えるべき顧客層セグメントを明確にするため、エリア内の観光客分析を実施した。
T:ターゲット 狙うべき顧客層は、家族旅行客と30~40代女性、高所得世帯、そしてプライベートを重視した高級感が味わえることに楽しみを見出す客層がターゲット層であることを導出した。
ST分析調査まとめ
P:ポジショニングさらに、競合他社調査と詳細分析を実施し、当社の立ち位置を確認した。
競合店調査資料(一部) 例1
競合店調査資料(一部) 例2
調査結果から競合他社と自社立ち位置をポジショニングマップにプロットすることで、競争を回避し差別化を図ることができる(ブルーオーシャンとなる)ことが確認できた。
ポジショニングマップ
この結果、ホテルの方向性として、ターゲット層を明確にしたスモールラグジュアリーホテルとしてのコンセプトを定めることができた。
■マーケティング計画立案 マーケティングではシミュレーションを実施し、顧客ターゲット・客室構成イメージ・客室価格設定イメージ・客数予測・プロモーションイメージを明確にした。
マーケティングミックスまとめ
当社価格設定と稼働率(抜粋)
プロモーションミックスまとめ
マーケティング計画を精緻に行うことで、改装規模が明らかになり、返済計画、財務計画のもととなる、収支のイメージについて具体的な数字に落とすことができた。
明確な顧客ターゲットイメージが作られたことと、競合他社の詳細な調査で、自社の明確な立ち位置がわかり、何もないところからホテルコンセプトを形作ることができた。
マーケティング計画により、プラン価格設定、施設客室の改装投資規模、重点販路、プロモーション方法が明確になったことで、新事業での営業スタイルを確立することができた。
特に、改装規模と予想収益はともに当初大きくなりがちである。計画を具体化していくなかで大きく見直しを図ることとなり、過大投資を避けて現実的な計画に落とし込むことができた。