HOME > 事例紹介 人事制度改善・構築
現状人事・労務の問題点を明確化し、人事制度構築、総額人件費計算、要員計画立案見直しを行い組織力を高める。
N県のホテルYでは、従業員の離職率が高止まりしており、3年後にはほぼ従業員が一巡してしまうほどであった。 高い離職率に支配人は悲観しており、打つ手がない状態であると思い込んでいた。この支配人は、離職率が高い理由は周囲と比べて賃金が低いこと、採用できない地域のせい、能力がないパートのせい、他責の念が強く見られた。 オーナーは人員不足と賃金の高騰懸念などの状況に頭を痛めており、人員不足の解決をしたいと相談に至った。
現状分析として、外部調査機関によるパートアルバイト25,000人の離職原因の調査分析を用いて、調査書としてまとめた。この調査書をクイズ形式に修正し、管理職研修にて理解を深めるツールとして利用した。
~研修資料抜粋~
管理職が、離職原因について対策を練ることが可能であることを確認したうえで、コミュニケーションスキルを向上させるための2つのツールを用意した。1つ目はコーチングスキルの向上、2つ目はランクアップノートの活用である。
コーチングスキルでは、プロコーチ資格保有者による管理職研修を実施して、管理職が従業員一人一人への個別対応が必要であることの認識を深め、各個人のモチベーションを向上させるため、面談での人別コーチングテクニックを学び実践した。
ランクアップノートとは、上司と部下との日常的なコミュニケーションツールである。
~ランクアップノート~
ホテル旅館業は休日深夜問わず24時間365日営業であるため、顔を合わせない従業員も数多くいる。特に支配人の直属の部下である課長・係長・チーム長の従業員は最もコミュニケーションが必要であるにもかかわらずどの会社でも不十分である。
調査分析結果においても、特にベテランパート社員への教育を徹底させることが最も定着率に影響することが共通理解として得られた。
そこで、ランクアップノートを導入し、支配人とパートアルバイトを管理する従業員との日々のコミュニケーションをより綿密に図ることとし、教育への気付きを得て中間管理職のベテランパート社員に対する行動変化を起こすこととした。
データに基づく調査書とクイズ形式での研修により、管理職自身の自省と行動変化の決意が得られた。これによりランクアップノートとコーチング研修導入の理解が得られやすくなった。
ランクアップノートを導入し活用することで、管理職・従業員間の表面的なコミュニケーションが内面に踏み込むようになり、これまで見えなかった問題が見える化できた。
次にコーチングによる傾聴と質問による本人の気付きで、ベテランパートを中心に行動変化が見え始めた。
再度、ランクアップノートを利用することで、本人の行動の承認を繰り返すための行動習慣化サイクルを回すことで習慣化することに成功した。
ベテランパートの意識が変わったことで、従業員間の些細なもめごとなどを細かく対処できるようになった。同時に仕事や作業の意味を丁寧に伝えるようになったため、新人が定着し技術習得も早くなった。
職場の雰囲気が柔らかくなり、従業員同士協力する体制となった。人員不足の際やシフトに穴が開く場合に、知人を紹介してくれるようになり採用率採用数共に向上し、求人広告が不要になった。
以上の取り組みにより、3年で一巡してしまうほどの離職率が、取組後一年間で離職ゼロとすることができた。